10人が本棚に入れています
本棚に追加
相沢の考えている事は、本当に理解不能だ。
それから仕事の毎日、結局相沢との約束もこう仕事が多いと無理そうだと諦めていた。
「ってか細川、夏休みはあっちに帰んないの?」
桜井の手伝いで資料をまとめていると、いきなりそう聞かれた。
「仕事もあるから、帰らないかな」
「えっ!? 言ってくれたら休みあげるし!」
「別にいいよ」
「彼女ちゃんにも会いたいでしょ? 帰りなって」
何も事情を知らない桜井の言葉に、
「彼女とは別れたから」
とだけ答えておいた。
「なんで?」
桜井はビックリしたのだろう、手にもっていた資料を投げ出すと、シンの顔を覗きこんでくる。
「色々事情があるんだよ」
「だから元気がなかったのか。薄々気付いていたけど……ってか遠距離が原因じゃないのか? なら、やはり帰るべきだな」
「もう別れたし、関係ない」
「細川はそれでいいのか?」
事情が違うんだ。遠距離だというばかりでなく、相手は生徒なんだから。
「あぁ……」
シンは資料をまとめ続けている。
「俺には細川は迷っているように見えるけどな。
はっきり言うけど、俺みたいに居なくなってからじゃ何も出来ないからな」
最初のコメントを投稿しよう!