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「原因はこれだろ?」
小指をたてながら言うから、古いなとシンは苦笑いした。
「相沢がめっちゃ心配してたよ。自分も好きなら放っておけばいいのに、バカなのか、一途なのか、俺には理解できないな」
と優はぼやいた。シンも同じ意見だったため、
「相沢はおかしい奴だよ」
と笑った。
相沢の買い物も終わり、街をブラブラと歩いた。
休日だとやはり人が多い、人の群れ。それに流されるように、信号を渡る。
その時、
『せんせぇ』
空耳なのか、亜紀の声が聞こえたような気がした。
思わず周りを見渡した、でも亜紀の姿はなかった。
「シン行くぞ」
「おぅ」
まだ俺は分からなかった。この時は、自分の気持ちに正直じゃなかった。
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