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「ふざけるなよ」
「ふざけてない。先生、俺とどっちが見つけるの早いか、勝負しようよ」
頭の中で何かがキレたような気がした。
「お前は亜紀のとこに行くな。探すな、それはお前の役目じゃない」
「先生のほうが探さないほうが良いんじゃね? 教師やめなきゃいけなくなっちゃうかもよ」
なぁ雄也知っているか? どんなに俺が亜紀を思っているのか。
「亜紀のためなら、俺はなんでもする」
「ばかじゃね……?」
なぁ雄也。
「好きならその人の幸せを考えろ」
「……」
自分の言えた言葉じゃない事くらい分かっていた。
でも、雄也のした事は間違っている。
「先生が……お前が悪いんだ」
そう切られた電話。思わず頭を抱えた。雄也が敵意むき出しだった、今までにこんなことは、なかったのに。
(これからどうしようか……)
深く深呼吸をしてから、相沢たちを見ると心配そうにこっちをみていた。
それから事の説明をし、3人で手分けして亜紀を探す事になった。
とにかく無事でいて欲しい。
最悪な事に陽が沈み始めた。相沢と優と何度も連絡を取り、走り回った。
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