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途中から抑えて飲んでいたシンの体からは、お酒は抜けていた。途中から烏龍茶を飲んでいた事を、きっと桜井は気づいていないだろう。
体に打ち付けるシャワーが、温かい。
真奈美にも連絡を入れておこうと思いながら、シンは風呂を上がった。
冷蔵庫にあった果物を軽く食べて、真奈美にメールを打つ。
『桜井は一応大丈夫そうだから、心配するな』
と短いメール。
少しでも気休めになればいいが。
それからまた桜井と合流した。シンが運転をし、桜井がナビをする。先ほど寄った花屋で、桜井は花を買っていた。
それで大体、何処に向かっているのかは、見当がついた。
駐車場とも言えない、空き地のような場所に車を停めて桜井の後についていく。
沢山のお墓の前を通り過ぎる。沖縄のお墓は、石造りの小さな家のようなものだっだ。
石に彫られた苗字を見て、シンはハッとした。
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