*…偽り…* #2

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――「おかえり」  運転席に座ると、桜井がそう声をかけてきた。 「おかえり、じゃないだろ……何普通にしてんだよ」 「俺はいつでも普通さ」  シンは話しをどう切りだそうかと考えた。真奈美に行ってくるとは言ったものの、何から話せば良いのか、分からない。 「何黙ってんの? 俺に何か言いにきたんじゃないの?」  桜井はそう言い笑っていたが、目は笑っていなかった。  感情が読みとれない。 「あぁ……あのさ、単刀直入に聞くけどいいか?」  真奈美を無視する理由、それは一体なんなのか……。口を開こうとした瞬間。 「なんで真奈美を無視するのか聞きたいんでしょ?」  ズバリ桜井に言われてしまい、シンは黙ってしまった。 「幻滅しないでよ」  そう言ったあと桜井は前にあるイルカの置物に触れると、ポツリポツリと話し出した。 「真奈美が嫌いな訳じゃないんだ。  むしろ、妹の様に可愛がっているつもり」  まだ真奈美のお姉さん、美咲さんが生きていた時、良く3人で遊んだりしていたらしい。
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