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*…偽り…* #2
「なにしてんのぉ~?」
相当酔っているんだろう、3人の足取りはフラフラだ。
「可愛い女の子がそんなに酔ってたら危ないよぉ~」
なんて桜井がいうと、
「お兄さんうまい事いうぅ~」
なんて、何がおかしいのかケラケラ笑っている。
「ねぇこれからどっかいかない?」
シンにハデハデの女が絡んできた。化粧も濃いが香水の匂いも濃い。
「酔いすぎでしょ?」
そう細川が苦笑いすると、
「っていうか2人かっこいいね」
なんて言いながらタバコに火をつけていた。
(うざいな……)
なんて思いながらも、早く散ってくれるのを待つ。その時だ、呆れた顔で、
「ねぇねぇ君達さ、なにがしたいの? なんで君達とどっか行かないといけないわけ?」
そう桜井が聞いていた。
いきなり言われた言葉に女はだまっている。面白くないのだろう、さっきまで笑ってたのに、真顔になった。すると桜井は冷たく言い放った。
「早く散って」
と、冷たい風が吹き抜けた気がした。
「かっこいいからって、調子にのるなよ」
「最悪」
「なにあいつ」
と女たちは口々にしながら、さっさと行ってしまった。
シンは黙って桜井の事を見ている。
「女ってバカばっか」
と桜井は空を見上げていた。
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