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3人とも無言なまま時間が過ぎる。そんな静寂を破ったのは相沢で、
「細川さ、亜紀の事まだ好きなんだろ?」
と聞いてきた。
知っているくせに、聞いてくるのはきっと気持ちを確かめたいと思っているからだろう。
「あぁ……」
「そっか」
相沢は何を考えているのか、空を見上げたあと。
「なぁ、これから花火やんない? なんかこのままだと気持ちがブルーっていうか、湿っぽい。
なぁ! 花火しようぜ」
なんて明るく言って来る相沢に。
「そうだな」
優が答えていた。
「お前ら2人で買ってきてよ。俺は走りすぎて疲れたし」
「言い出しっぺが残るとかおかしくない?」
そう優がつっこんだが。
「いいだろ別に。体を休めながら心の整理をするんだよ。
だから早く行ってくれぇ~」
そんな相沢を見て優は微笑むと、
「シンいくか」
と肩を叩いた、そしてシンと優は近くのコンビニへと歩きだした。
「……ックショ」
歩いている途中、背後から小さく聞こえた相沢の声。それを聞いて優は、
「相沢さ、木下さんの気持ちがまだシンにあるから、辛いだろうね」
といってきた。
「亜紀の気持ちがまだ俺にあるなんて、そんなの分らないだろ」
「見てればわかるよ」
そう言われても、どうだか……本人以外はしらないだろうと、思ってしまう。
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