*…変化…* #2

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「俺さ……相沢が亜紀って呼んでいるから、二人の距離がとっても近付いてるんじゃないかって、なんかショックうけたんだよな」  優は黙って頷いた。こんな話を弟にしているのは、なんだか恥かしいが、自分の気持ちを整理するのに良い機会だと思った。 「相沢が亜紀を見つけて、抱き締めた時……まぁ正直嫉妬した」  相沢がうらやましいとさえ思った。 「なんだろうな……自分の気持ちが良く分からないんだ。  気持ちに正直に生きようと思っても、一歩踏み出せないっていうか。  結局、色んな事考えて、何も出来ずにいるんだ。  亜紀の気持ちももう変わったんじゃないかって……」  コンビニの明かりが見えてきた。 「そうなんだ」 「そういう事」  それで話しはいったん終わった。花火を選びレジに通す。  すぐにコンビニを出ると、今度は優が話しだした。 「シンさ、一歩踏み出せないって言ったよね。それはさ、誰のため?」 (誰のため?)  その言葉に、思わず考えてしまう。  一体誰のためだろう……亜紀のためだといえばそうなる。相沢のためだといえば、そうなってしまう。  そして、自分のためでもある。 「まぁさ、色々あると思うけど、一番誰のためにそうなってしまうのかって事」  それは勿論、考えてしまうのは亜紀の事だった。
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