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自分のせいで今まで苦しめてきた事や、悲しませてきたこと。
これから先もそんな思いをさせるなら、離れた方がいいんじゃないか。
「亜紀……かな。
いっぱい辛い思いをさせてきたし。きっと、これからもそんな事ばかりだろうから」
「木下さんのためね……」
「あぁ、悲しむ顔や苦しむ顔なんて、見たくないからな……」
静かだからか、足音が良く聞こえる。
「シン……はっきり言うけど。木下さんはシンと離れたのに、今も苦しそうだよ。一人でもがいてる」
優の言葉にはっとした。
「苦しみの中でもがいている様にしか見えない。どこかに手をのばして、何かが手に触れるまで探しつづけて……一番手にしたいものに、掴まれないっていうの?
シンと付き合っていた頃も辛そうだったけど、結局どっちも辛いんじゃないかな?
ただシンがいるかいないか、それだけで大きく違うと俺は思うけど」
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