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パチパチと弾ける花火。花火の明かりで見える顔、はっきり見えたり、見えなかったりを繰り返す。
相沢ははしゃいで少し離れた所で、花火を振り回していた。
「相沢やめろ」
そうシンが注意するも、
「大丈夫だってぇ~、おまえらに当たらないようにしてるから」
と花火で丸をクルクルとかいていた。
「ガキだな」
そうシンが言うと、
「言ったな!」
いきなり花火を向けて追いかけてくる。
「危ないだろ!」
逃げるも、ニヤニヤと笑いながら追うのをやめない。
相沢らしい行動だ、シンは最初はちょっとイラッとしたものの、相沢はやっぱりムードメーカーなんだと、途中から追われるのを楽しんでいた。
気付いていたから……優と亜紀が、2人を見て笑っていることを。楽しそうに笑っている事に気付いていたから。嫌な顔して相沢に追いかけられ続けた。
でも、それは花火が消えるまでのほんの短い時間、消えそうになる花火から別の花火に引火していたが、それも3本で終わった。
「はしゃぎすぎ」
相沢から、消えた花火を奪う。
「こわぁ~い」
そう女々しく言う相沢に。
「キモッ」
と言いながらも、シンは満面の笑みだった。そして相沢も……。
相沢はどう心の整理をしたのたろうか? これからどうするのだろうか?
考えたが、それはもう自分の決意を曲げる事はないだろうと思った。
亜紀とたまに合う視線。
すぐにそらしてしまうけど……。もう自分の為に生きるって決めたから、正直になるって決めたから。
亜紀の気持ちを確かめたい……。
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