*…朧…* #2

11/35

16人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
 それから一人で屋上に行き、シンは携帯を開く。今頃亜紀は相沢と二人でいるだろう、それでメールを送ることにした。  夜電話をするからと、バイトは休みなのか確かめる。こんなにも余裕がない自分はどうなってしまうんだろうか。  亜紀から返ってきたメールを見て目を閉じる。学校見学なんか早く終わってしまえばいいのに……このまま眠ってしまいたい気分だった。きっと起きた時には、学校見学も終わっているだろう。  だが授業が入っているため、眠る事は出来なかった。 (生き地獄……あぁ気になる)  何もないとは思うがとても気になった。 ――公務が終わって家に帰ったあと、すぐに電話をしようと思ったが時刻はまだ7時、自分が焦っている事は悟られなくないため、もう少し経ってから電話をすることにした。  嫉妬をしてるなんてあまりバレたくない。それはプライドからで……。 「はぁあ」  テレビをつけるも面白いものはやっていなくて気が滅入った。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加