16人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
ソファに寝そべる。白い天井……。どれくらいたったのか、何度も時計を確認したが、あまり時間は経っていなく、溜め息ばかりがもれた。
電話をかける事が出来たのは、もうすぐで10時という時だった。きっと亜紀も寝る準備に入っているだろうとそうした。
コールが数回なり、通話中になる。
「もしもし」
聞きたかった声を、やっと聞けた。
「亜紀?」
「先生……」
なんだか元気がない。
「ちょっと元気ないな、何かあった?」
なにがあったのか、沈んでいる声が不安にさせる。
「元気ですよ」
そうすぐに嘘をつく君。こんなにも好きな君の声の変化で嘘だなんてすぐに分かるのに。
「そうか、嘘が下手だな。話したくなったら話してな」
無理矢理は聞くのはどうかと思ってそう言ったが、内心聞きたくてたまらなかった。
「ねぇ先生?」
「ん?」
「亜紀って呼んで」
いきなりそんなお願いをしてきた。シンは優しく名前を呼ぶ。
最初のコメントを投稿しよう!