*…朧…* #2

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「その子がさ、亜紀とメールをしたいと言ってるんだけど……どうする?」 「えっ!? 私と? もしかして私と先生の事バレたんですか?」 「バレてはないんだけど、亜紀の事を気に入ったらしくて……」  いきなりの事だし、そう思ってもおかしくないと思った。 「いいですよ」  案外あっさり亜紀は承諾。 「じゃあ、教えとくな」  その後しばらく他愛もない話しをした、最近の学校での事やバイトの事。  まだ胸に残るイライラや、もやもやを消すために、亜紀の話しに集中する。こんな気持ちのまま電話をしている時間はもったいない。  亜紀と話す時は、温かい気持ちでありたい。ゆっくりだが氷が溶けていくように、イライラもモヤモヤも薄れてきた。 「亜紀は、あれから父さんと話した?」  そういえば、あれからどうなったのだろうか。亜紀からはその話しをまだ聞いていない、ちゃんと話しあえたのか心配だ。 「それが……なかなか話しが出来なくて」  言ってこなかったのは、何も進展がなかったからのようだ。少しずつでもいいからちゃんと話すようにと、優しく言ってやった。  亜紀をあんな気持ちにさせたのは、自分のせいでもあるからだ。 「うん……」 「亜紀……」 「ん?」 「あのさ……」 「なんですか?」  亜紀は、自分とこんな関係になったことを後悔してないのかと、急にそう思った。
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