*…朧…* #2

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 周りには自分より若い人や、良い人なんていっぱいいるはず。それなのに俺でいいのかと。 「やっぱいいや」  自分に自信がない、だからこう考えてしまうのだろう。 「えっ!! きになるぅ~」 「気になるか? じゃあ言わない」  きっと亜紀に言ったところで解決しないだろう。結局は自分自身の問題なんだから。 「言ってぇ~」  そんな亜紀に、 「亜紀、好きだよ」  そう誤魔化した。 「亜紀は?」 「私も……」  『会いたい』という気持ちが溢れる、シンはタバコを手に取るとベランダへと出た。 「なぁ亜紀……そっちは晴れてる?」  沖縄の空は晴れていて月で明るい。 「晴れてますよ……」 「月みえるか?」 「うん」  こんなに離れているのに、今は君と同じ物を見ているんだ。 「俺は今……亜紀と同じ月を見ているんだな」  そう呟く。会いたくて会いたくてたまらなくなった。  亜紀に会いたい……。 「寂しいか?」 「当たり前だよ……」  抱き締めてやりたい。 「亜紀は月みたいだよな……」  優しいあかりがシンや島を包み込んでいた。 「いつも……俺を癒してくれて、照らしてくれる……」  ロマンチックな事を言ってみたが、これは本心で狙っているとかそんな訳ではない。  本当にそう思ったんだ。
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