*…朧…* #2

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 正直相沢から話しを聞くまでは、もしかしたら亜紀は何かされたのかもしれない、とか気持ちが相沢にふれて自分を責めているのかもしれないなど、悪い考えばかりだった。本当の事を聞いた時は、何もなくてホッとした。 「まじ複雑くねっ? なんかさぁ~亜紀に俺たちは振り回されてんだぜ! 年下にこんな事になるとは、思ってなかったよな」 「確かにそうだな」  そう笑って話していた。相沢に嫉妬するのも、ムカつくのも……全部亜紀のせい。 「アイツ魔性の女だな」 「そうだな」  なんて相沢と話しているうちに、結局は相沢を認めてしまっているんだ。 「お前に会いたいよぉ~」 「キモいぞお前」 「お前も会いたいくせに」 「あぁ会いたいよ」 「今日はヤケに素直ですねぇ~」 「さっきまでお前にイライラしてたぶん、無償に愛しくてたまらなくなったんだよ」 「キモッ!!」 「お前に言われたくない」 「ギャハハハ」  結局、相沢を心の底から憎むなんて出来ないんだ。そういつも同じ事を思う。  本当に亜紀が魔性なのかもしれない。その日二人は夜遅くまで語っていた。
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