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正直相沢から話しを聞くまでは、もしかしたら亜紀は何かされたのかもしれない、とか気持ちが相沢にふれて自分を責めているのかもしれないなど、悪い考えばかりだった。本当の事を聞いた時は、何もなくてホッとした。
「まじ複雑くねっ? なんかさぁ~亜紀に俺たちは振り回されてんだぜ! 年下にこんな事になるとは、思ってなかったよな」
「確かにそうだな」
そう笑って話していた。相沢に嫉妬するのも、ムカつくのも……全部亜紀のせい。
「アイツ魔性の女だな」
「そうだな」
なんて相沢と話しているうちに、結局は相沢を認めてしまっているんだ。
「お前に会いたいよぉ~」
「キモいぞお前」
「お前も会いたいくせに」
「あぁ会いたいよ」
「今日はヤケに素直ですねぇ~」
「さっきまでお前にイライラしてたぶん、無償に愛しくてたまらなくなったんだよ」
「キモッ!!」
「お前に言われたくない」
「ギャハハハ」
結局、相沢を心の底から憎むなんて出来ないんだ。そういつも同じ事を思う。
本当に亜紀が魔性なのかもしれない。その日二人は夜遅くまで語っていた。
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