*…朧…* #2

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 空が暗くなり始めた頃、携帯が着信をつげた。  相手は相沢だ。すぐに電話を取ると、 「ハロ~」  と陽気だ。 「なんだよ」  相沢は優と二人で花火大会に来ていると話した後、亜紀に会ったと言った。 「浴衣姿かわいかったなぁ~。シンちゃん見れなくて残念だねぇ~」  なんかムカつく。そう思いながら、相沢の話しを聞いていた。 「相沢……俺を怒らせたいわけ?」 「えっ? シンちゃん怒ってるの?」 「切るぞ」 「いやっ切らな『プチっ』  シンは電話を切ってやった。相沢が楽しんでいる事くらい分かっていた。  すると相沢からすぐにメールがきた。 「焼きもち屋さん」  と。 「アイツぶっ飛ばす」  ボソッと呟きメールを打つ。相沢にではなく亜紀にだ。浴衣で行くとは聞いていなかった……自分より先に相沢に見られたと思うと本当にムカつく。 「写メ送って。浴衣姿みてみたい」  そうメールをすると返事はすぐに返ってきた。 「あとでちゃんと送ります」  と、いつ送られてくるのか、早く見てみたかった。  なんだか自分だけ仲間外れにされたような気分だ。相沢に優、亜紀は同じ花火大会。自分だけひとり家にいて……。
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