*…朧…* #2

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 コーヒーを淹れて気持ちを落ち着ける。良い香りが部屋中に広がった。 「はぁ……」  ため息をついたあと、カップにコーヒーをつぎソファに戻る。亜紀からメールがくるまでテレビをみて待つことにした。  後で送ると言っていたので、すぐには来ないだろう。  テレビ番組が次々と終わっていく、テレビに集中できる時もあったが、やはり意識は携帯にいってしまう。  まだかまだかと、何度確認したかわからない。  シンは気を紛らわせるために、仕事をすることにした。  が、仕事もなかなか手につかない。 「はぁ……」  そうため息をついた時、もうあれから3時間程経つだろうか、なんだか長く感じる。その時携帯がメール受信を知らせた。  すぐに開いてみると「約束の写メです」と書かれたメールに貼られていた写真には、恥ずかしそうに頬を染め写っている亜紀の姿。薄紫色の浴衣がとても似合っていた。  見ているとこっちまでなんだか恥ずかしくなる。画面の中の亜紀を見つめたまま……思わず微笑んだ。 そして考える、視察の事を伝えようか、どうしようか。と……いきなり行って脅かせたいという気持ちもある。  写メを見てから、ますます亜紀に会いたいという思いが募った。
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