*…朧…* #2

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 亜紀に会ったら、自分はどうなってしまうんだろうと、急に不安になった。  写真だけでもこんなに愛しいのに、実物はその数倍愛しくなるだろう。  それに、理性が保てるか?  その前に亜紀の父親との約束……。  自信を持って約束を守ると言えないし、理性を保てる自信もない。  それが今の自分。  亜紀の前ではかっこつけて何でもないふりをしているが、やはり内心穏やかではない。  焦り、不安、嫉妬。色んな物が混ざりあう。  そんな事を考えていると、携帯が着信を伝える。どれくらい考えていたのか、電話に出るともう亜紀は寝る準備が終わったと言っていた。 「写メありがとうな」  恥ずかしそうに話す亜紀にそう言うと、 「先生の写メもちょうだいよ……」  と小さな声で呟く。小さな声も全部、ひとつのこらず拾いたいと思うのは、君からでた言葉だからだろうか。 「お互い待ち受けにするか?」  そう言った途端に虚しくなる胸は、何故?  出来ない事なんて最初から分かっているのに、何故かそれにショックをうけている自分に気付く。  その後他愛もない話しをして電話を切ったが残ったのは、どこにもぶつける事の出来ない寂しさ。  彼女もこんな想いをしているんだろうか……。  亜紀に写メを送ると約束していたため、カメラを自分に向けた。ピースを作り笑うが、うまく笑えているだろうか。  亜紀との明るい未来を考える事で、暗い気持ちを吹き飛ばす。  あぁ……君のためだけに笑っていたい。
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