*…朧…* #2

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 それから職員室へ行き、挨拶を済ませた。  その後は他に何もやることはなく、体育館に皆も待たせている訳で戻る事に、相沢はもう少しいたらと言っていたが職員室を出た。  体育館へと足を進める……その時。  今一番会いたい人を見つけた。シンに気付いていない彼女は携帯を見ながら階段を降りてきた。 (亜紀……)  まだ気付かない。 「亜紀、久し振り」  そう声をかけると、亜紀は一瞬にしてピタッと止まり顔をあげた。  2メートル程の距離、今すぐにでも駆け寄って抱き締めたい。 「せんせぇ……」  目を見開いてビックリしている。そして次の瞬間、その瞳から勢いよく涙が流れだした。 (亜紀……)  側に行こうとしたが、亜紀は走っていってしまった。  そのすぐ後、数名の生徒がさっき亜紀がいた場所を通り過ぎる。 「あれ? 細川先生!!」 「あっ本当だぁ、なんでいるの!?」  亜紀はきっと関係がバレかねないと、走って行ってしまったんだろう……そうシンは思った。 「おぉ、皆元気か?」  シンもこの場をやり過ごす。
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