*…朧…* #2

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 体育館ではシンの帰りを待っていた真奈美達が、これからどうするのかと聞いてきた。  シンは一通り言われた事を流す。これから体育館で集会が行われる事。その時、一人一人自己紹介をする事。  その後は各自振り分けられ授業に参加するという事。 「自己紹介って、何言えばいいんだよ」  一人の生徒が声を上げ、周りがざわめく。 「適当に名前と趣味なんかでいいよ」  というと、自己紹介なんて嫌だと皆文句をたれていた。  それから体育館には続々と生徒が集まってきた。そして始まった集会、女校長の「サプライズよビックリしたでしょ?」という言葉に皆は全くだという顔をしていた。  シンも一年生と会うのは初めての為自己紹介をした。 「本当にそっくりだよね」  双子だと知っていた人たちは優とシンを見比べては頷き。知らなかった人たちは、 「えっ双子!?」  そう声を上げて驚いていた。  こういう時でも、自分の目はある人を探してしまう。舞台の上から探すのは至難の技だと思ったが、こういう時は、あっさり見つかってしまうものである。本当にタイミング良く。  彼女は友達の祐介という男と何やら話していた。  靄がかかる胸に思わず苦笑いがでた。 (嫉妬ねぇ……)
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