*…朧…* #2

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――「細川せぇ~んせ」 「おぉ真奈美」  2学期が始まった。昼休み、いつもの様に屋上でボケていると、真奈美がやってきた。隣りに座ると、小さく息をついて「疲れたぁ」と呟いている。 「どうしたんだ?」 「なにがですか?」 「本当に疲れてるみたいだから」 「それが、色々学級委員の事で忙しくて……というか猫被っているのが疲れるっていうか」  肩を自分で揉みながら。 「今とても癒されたいんですよ。私には癒しが必要なんです、良い子してるのなんて疲れるし肩こるし……究極の癒しを求めて毎日フラフラ。  やっぱり自分作るのってさすがに疲れますね」  眼鏡を外した真奈美は目頭を押さえ「うぅ」と唸る。 「癒しかぁ……女の子はふかっふかのヌイグルミとかで癒されるんじゃないか?」 「まぁ多少は、でもドカッと強い癒しが欲しいんです。フワフワ的なほんわか的な」  真奈美の言っている意味が分からずにシンは苦笑いした。 「あっそれでですね。細川先生に頼みがあるんです」  こっちに顔を向けた真奈美の目頭に赤いあとがついている。どれだけ強く押さえていたのか、相当疲れているんだろう。
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