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――「細川せぇ~んせ」
「おぉ真奈美」
2学期が始まった。昼休み、いつもの様に屋上でボケていると、真奈美がやってきた。隣りに座ると、小さく息をついて「疲れたぁ」と呟いている。
「どうしたんだ?」
「なにがですか?」
「本当に疲れてるみたいだから」
「それが、色々学級委員の事で忙しくて……というか猫被っているのが疲れるっていうか」
肩を自分で揉みながら。
「今とても癒されたいんですよ。私には癒しが必要なんです、良い子してるのなんて疲れるし肩こるし……究極の癒しを求めて毎日フラフラ。
やっぱり自分作るのってさすがに疲れますね」
眼鏡を外した真奈美は目頭を押さえ「うぅ」と唸る。
「癒しかぁ……女の子はふかっふかのヌイグルミとかで癒されるんじゃないか?」
「まぁ多少は、でもドカッと強い癒しが欲しいんです。フワフワ的なほんわか的な」
真奈美の言っている意味が分からずにシンは苦笑いした。
「あっそれでですね。細川先生に頼みがあるんです」
こっちに顔を向けた真奈美の目頭に赤いあとがついている。どれだけ強く押さえていたのか、相当疲れているんだろう。
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