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「なに?」
真奈美はアゴに人差し指を当てながら、
「前に視察に来てた人の中に、木下亜紀さんっていたじゃないですか」
そう聞いてきた。シンの心臓が大きく鼓動する。もしかしたら、真奈美は勘づいたのじゃないか。
「で?」
平常心を装う、ここで動揺したらいけない。
「先生アドレスとか知らないかなぁ~って思って。メル友になりたいなぁ~って」
(そういうことか……)
一気に胸は安心感に包まれた。
「アドレスも番号も知らないなぁ。今度あっちの教師に連絡取って聞いてみるさ」
「本当に!?」
「あぁ」
「あ、ありがとう先生」
とても嬉しいのか満面の笑みだ。
「でも、なんで木下なんだ?」
真奈美は空を見上げながら、
「だって、なんかあの子ドジっぽいし。なんかホンワカしてて可愛いから、見てるだけで癒されるじゃないですか。
あんまり喋ってないから性格とか、どうなんだろうって興味があるんです。なんかメールだけでも癒してくれそうだし」
確かに亜紀には癒されると、シンはその時おもっていた。こう彼女の事を良いように言ってくれているのを聞くと、なんだか嬉しくなる。
ドジっぽいというところは、除いてだが。
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