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そして真奈美は屋上からいなくなった。シンはそのまま大の字に寝そべり、目を閉じた。
このまま眠ってしまいたいと思うほど気持ちが良くて、思わず微笑んでしまった。
――最近、真奈美のそばをチョロチョロしている男子生徒がいる。
茶髪で制服を着崩している男だ。前から仲が良いとは思っていたが、最近は本当に頻繁に真奈美と一緒なのを見かける。
もしかして彼氏なのか……そう思ったが本人にはなんだか聞けず、様子を伺っている。この事を気にしているのは、自分だけじゃないだろうと、シンは思っていた。
そう、隣にいる桜井は、きっと自分以上に気になるだろう。さっき真奈美とその男子生徒をにらむように見たのを、シンは見逃さなかった。
遠くで楽しそうに話す2人。こちらには気づいていないだろう、笑いながら肩を叩いたりしている。
一体、どういう関係なのか。
男子生徒の名前は和輝。シンは何度も授業をしているため彼の事は知っていたが、あんなに真奈美と仲が良いとは知らなかった。
チラリと隣で歩いている桜井を見ると。
「真奈美だね。あの2人は幼なじみ同士だよ。とても仲がいいんだ」
「ふ~んそうか」
桜井は先に校長室へと入っていった。シンもその後を追う。
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