*…朧…* #2

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 そして真奈美は屋上からいなくなった。シンはそのまま大の字に寝そべり、目を閉じた。  このまま眠ってしまいたいと思うほど気持ちが良くて、思わず微笑んでしまった。 ――最近、真奈美のそばをチョロチョロしている男子生徒がいる。  茶髪で制服を着崩している男だ。前から仲が良いとは思っていたが、最近は本当に頻繁に真奈美と一緒なのを見かける。  もしかして彼氏なのか……そう思ったが本人にはなんだか聞けず、様子を伺っている。この事を気にしているのは、自分だけじゃないだろうと、シンは思っていた。  そう、隣にいる桜井は、きっと自分以上に気になるだろう。さっき真奈美とその男子生徒をにらむように見たのを、シンは見逃さなかった。 遠くで楽しそうに話す2人。こちらには気づいていないだろう、笑いながら肩を叩いたりしている。  一体、どういう関係なのか。  男子生徒の名前は和輝。シンは何度も授業をしているため彼の事は知っていたが、あんなに真奈美と仲が良いとは知らなかった。  チラリと隣で歩いている桜井を見ると。 「真奈美だね。あの2人は幼なじみ同士だよ。とても仲がいいんだ」 「ふ~んそうか」  桜井は先に校長室へと入っていった。シンもその後を追う。
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