*…朧…* #2

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*…朧…* #2

「もう帰っちゃうとか俺嫌だぁ~」  空港まで見送りにきた相沢は、シンと離れたくないと口を尖らせてすねている。 「気持ちわるいな……」  とシンは苦笑い。優はというと相沢の肩を叩いて笑っている。 「ちゃんとご飯たべるんだよ。連絡するんだよ」 「お前は親か!」  そんな漫才みたいな事をして、シンは沖縄に帰った。飛行機の中、相沢が最後におもいっきり手を振っていたのを思い出して、シンは思わず笑ってしまった。 ――「あっつ……」  沖縄の天気は快晴。ムンとした空気が体にあたる。桜井に迎えを頼んでいたため桜井待ちだ。  他の観光客に混じりながら車を探していると、赤いスポーツカーがシンの目の前でとまった。 「おまたせ」  運転しているのは桜井だ。シンは桜井が運転しているのを初めてみたため、免許を持っていたんだと初めて知った。 「運転できたんだ」 「沖縄は車社会だからね、18になったらまず車の免許でしょう」  そうニカっと笑った。それからトランクに荷物をつめて、シンが助手席に座ると、桜井はエンジンを吹し発進した。 「なんか心配だな……」 「大丈夫大丈夫。年に10回は運転してるから」 (心配だ……)
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