14人が本棚に入れています
本棚に追加
「ついたついたぁ~」
目的の場所に着いた車は、駐車場でエンジンストップ。まだ、12時をまわっていないため、その場所はまだライトアップされたままだった。
「夜景でも見に行きますかぁ~、公園は明るいけど、一応夜景見えるよ」
そうここは、前に相沢に教えて貰った場所でもあり、亜紀とシンの結ばれた場所でもある。
車から降り、夜景が見える場所へと向かう。公園を真ん中から突っ切り、木の間を抜けると、そこには一面に広がる夜景。
公園の明かりで、ムードは少し損なわれるが、とても綺麗だった。
隣りにいる亜紀は目をキラキラ輝かせて、夜景を見つめていた。シンも懐かしさに浸りながら夜景を見つめる。
「ってか、相沢……俺達って邪魔だろ」
とふいに聞こえた優の言葉、気を使ってくれているんだと思っていると、
「邪魔じゃない邪魔じゃない、邪魔なのは優と細川じゃないか」
と相沢は言い出した。相沢らしい行動に思わず笑ってしまう。そして、
「邪魔者は消えるよ」
とシンは、亜紀の手を掴むと、相沢と優から離れるように、歩きだした。
相沢たちが動かないのなら、自ら動けば良い。
亜紀は黙ってついてくる。
「いやっ……俺が邪魔なのはお前と優だし!!」
不満そうな相沢の声が背中に飛んできたが、聞こえないふりをして、歩き続けた。
最初のコメントを投稿しよう!