*…朧…* #3

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 がなかなか生徒たちは引き下がってくれないもので、 「細川先生焼けましたよね」 「本当そっくりですよね」  結局生徒に囲まれてしまった。優はそんな中をトイレに行くといい逃げ出し、シンは逃げる事もできず。 「もう授業始まるぞ、早く教室に入った方がいいんじゃないか?」 「えっ!? まだ大丈夫だよぉ~それより先生さぁ」  仕方なく少し相手をする事に、優が戻ってくるまでと他愛もない話しをしていると、 (あっ……)  亜紀の姿を見つけた、こっちに向かって歩いてくる。一瞬目があったがそれはすぐにそらされた。 「ねっでしょ面白いでしょ? 先生」 「あはは、そうだな」  何の話しなのか分からなかった。亜紀が遠くなっていくのをチラチラ確認してしまう。 「さぁはいはい、もうこれでお開き。皆教室に入って、細川先生も困るだろ」  いつ戻ってきたのか、優が周りにいた生徒を教室へと帰らせていた。 「じゃあシンも早く行くよ」 「おぅ」  優は黙って歩いていたが、二人きりになると、 「シンにさ、忠告しとく。木下さんの事見すぎ、あんなに何度も見てたら生徒も気づいちゃうよ」 「そんなに見てないだろ」 「見てた」
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