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がなかなか生徒たちは引き下がってくれないもので、
「細川先生焼けましたよね」
「本当そっくりですよね」
結局生徒に囲まれてしまった。優はそんな中をトイレに行くといい逃げ出し、シンは逃げる事もできず。
「もう授業始まるぞ、早く教室に入った方がいいんじゃないか?」
「えっ!? まだ大丈夫だよぉ~それより先生さぁ」
仕方なく少し相手をする事に、優が戻ってくるまでと他愛もない話しをしていると、
(あっ……)
亜紀の姿を見つけた、こっちに向かって歩いてくる。一瞬目があったがそれはすぐにそらされた。
「ねっでしょ面白いでしょ? 先生」
「あはは、そうだな」
何の話しなのか分からなかった。亜紀が遠くなっていくのをチラチラ確認してしまう。
「さぁはいはい、もうこれでお開き。皆教室に入って、細川先生も困るだろ」
いつ戻ってきたのか、優が周りにいた生徒を教室へと帰らせていた。
「じゃあシンも早く行くよ」
「おぅ」
優は黙って歩いていたが、二人きりになると、
「シンにさ、忠告しとく。木下さんの事見すぎ、あんなに何度も見てたら生徒も気づいちゃうよ」
「そんなに見てないだろ」
「見てた」
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