*…朧…* #3

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「んっ……はぁっ」  彼女の声で、少し思考がクリアになったとたん。自分のやっている事にドキドキと胸が騒いだ。  ヤバい……。  そう思いながら、亜紀の首筋をなぞると、ちょうどネックレスに触れた。どうにか、気持ちをそらしたくて、キスをしながらネックレスを片手で器用に外した。  そして、唇を離す。 「亜紀座って……」  限界に近かったが、良く踏みとどまったと自分で思う。亜紀の腕をほどいて座らせた。  向かい合う2人。  そして、シンはネックレスから指輪を取ると、ネックレスを亜紀にかけてあげた。 「右手」  そう呟くと彼女は言われた通りに右手を差し出した。 「もう、絶対に外すな」  そう薬指に指輪をハメる。 「せんせぇ……」 「返事は?」 「はずさない……」  それから、シンはまた口付けをする。甘い甘いキスを、自分との勝負だった。  左手を腰に回し、右手を頭の後ろに回し。  めちゃくちゃにしたい気持ちと、それ以上はダメだと止める気持ち。  それは激しくぶつかりあう。 「んっ……」  甘い甘いまるで密のように甘いキス。     よせ……。  そう叫ぶ心、だが体は彼女を欲していた。  きっと彼女は自分しか見えなくなる。このまま……。
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