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側にいると触れたくてたまらなくなる。もう一度キスをしようか……。
そう考えていると、準備室から物音がした。
亜紀は驚き、シンから離れる。そして、
「お~い細川ぁ~」
と相沢の声が聞こえてきた。
「相沢か……」
相沢の声にホッとした、化学の先生が帰ってきたのかもしれないと、一瞬ヒヤッとしたからだ。それから、亜紀を立たせ、
「相沢、今そっちいくから」
と相沢に声をかける。なんだか一気に現実に戻された気がした。
「危なかった」
思わず出てしまった本音、相沢が来てなかったら、自分を保てていたのか、正直わからなかった。
さっきは思い止まる事が出来たが、次は……。
考えるのはやめて、亜紀の手を引き準備室へ。相沢はイスに座り、化学室から来たシンたちを見てビックリしていた。
「二人だったのかよ!!」
と眉間にシワを寄せている。信じられないとでも、言いたそうな顔だ。
「悪いか?」
そうボソッと言うシンを無視し、相沢は、
「何かされなかったか? 大丈夫か?」
と亜紀に聞いていた。
「なっ何もしてませんよ」
と頬を染め言う亜紀の言葉は説得力がない。手を離すと亜紀は相沢の向かい側のイスに腰をかけた。
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