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少しでも近くにいたい。そう思うのは普通の事だろう。
「後ろでラブラブすんなよ」
と不満そうにいう相沢に。
「さぁな」
とシンは答えていた。
そして車はしばらく走り、優をひろう、優は亜紀がいることにビックリしていたが「ラブラブだね」とボソッと呟いていた。
行く先は相沢次第、何処に向かうんだろうと考えながら、隣りの亜紀や、優、相沢を見る。
シンの胸にはなんだか温かいものが溢れていた。この空間が好きだと思った。
と、いきなり鳴り出した携帯。シンは自分の携帯だと開いた、すると何故か『安藤 あずさ』からの着信。
もう決着はついたはずなのに、何故着信がきたのか……。
すぐに携帯を閉じ、隣りの亜紀の様子をちらっと確認した。
電話に出ない事を変に思うだろう……着信を無視しているからか、亜紀がこちらをみた。こういう時、やけに着信音が五月蝿く感じる。
まさかここで出るわけにもいかず、気にするなと亜紀に優しく微笑む。
数秒後静かになった携帯。取らなかった理由は簡単だ。やましい事はないが、安藤からの電話だと知ったら、亜紀がまた変な事を考えるかもしれないと思ったからだ。
「なんで、電話とらないんだ?」
いきなりの相沢の質問に、
「あぁ、たいした事じゃないから。別にいい」
と軽く返すと。
「本当は、浮気だったりしてぇ~」
と言われ、
「あっちの、校長だから別に取らなくていいんだよ」
そう嘘をついた。
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