*…朧…* #3

27/35
前へ
/35ページ
次へ
 変に不安にさせたくない、それでついた嘘だ。  亜紀の視線を感じ、振り向くとこっちを見ていた。それでシンは黙って微笑み頭を撫でた。  何を考えてるのか……亜紀もシンに微笑みかける。  静かな車内、車のエンジン音と振動が体に心地良い。見慣れた懐かしい景色を見て、シンは何処に向かっているのか気付いた。  亜紀との始まりの場所だ……。  忘れる事の出来ない場所。あの日から全てがまるっきり変わった。  亜紀との関係も周りの環境もガラリと……。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加