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自分の感情の上がり下がりが激しい事に気付いても、それを制御する事ができなくて。
色んな事が次から次へと頭を支配していく、このまま駆け落ちしたらどうなるだろうか……。
このまま二人でどこかへ行く事ができたら、明るい空の下を歩けるだろうか。
場所は何処だって良い。二人で手をつないで歩けるだけで。
亜紀はさっきのシンの発言に笑っている、少し大人になった顔つきは可愛いから綺麗に変化していた。
夜の効果もあるのだろう……幼さが消されるように。
シンは亜紀に微笑むと、抱き締める手を緩め。
「携帯かして」
そう催促をした。やることは一つ。
「亜紀がやっと笑ったから、今がチャンスだな」
シンは携帯を操作して、画面をクルッと回した。腕を前に伸ばすと、ディスプレイに写る2人の顔。
「ほらっ笑って、ハイチーズ」
シャッターの音が響く。
「ずっと撮りたかったんだよな、2人で写メ」
恋人みたいな行動を、そんなにしたことがないから、それが新鮮で。自分の携帯でもパシャリと撮った。
「宝物だな」
自然と笑顔がこぼれる。
こんな関係だからこそ、もの凄く嬉しく感じるのかもしれない。大切に隠しておきたいと思うのかもしれない。
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