*…朧…* #3

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 自分の感情の上がり下がりが激しい事に気付いても、それを制御する事ができなくて。  色んな事が次から次へと頭を支配していく、このまま駆け落ちしたらどうなるだろうか……。  このまま二人でどこかへ行く事ができたら、明るい空の下を歩けるだろうか。  場所は何処だって良い。二人で手をつないで歩けるだけで。  亜紀はさっきのシンの発言に笑っている、少し大人になった顔つきは可愛いから綺麗に変化していた。  夜の効果もあるのだろう……幼さが消されるように。  シンは亜紀に微笑むと、抱き締める手を緩め。 「携帯かして」  そう催促をした。やることは一つ。 「亜紀がやっと笑ったから、今がチャンスだな」  シンは携帯を操作して、画面をクルッと回した。腕を前に伸ばすと、ディスプレイに写る2人の顔。 「ほらっ笑って、ハイチーズ」  シャッターの音が響く。 「ずっと撮りたかったんだよな、2人で写メ」  恋人みたいな行動を、そんなにしたことがないから、それが新鮮で。自分の携帯でもパシャリと撮った。 「宝物だな」  自然と笑顔がこぼれる。  こんな関係だからこそ、もの凄く嬉しく感じるのかもしれない。大切に隠しておきたいと思うのかもしれない。
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