*…朧…* #3

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 授業が終わり、金魚のフンかのように優の後をついて職員室に戻る。  双子というだけあってか目立つし、廊下を歩くだけでも注目の的だ。生徒に囲まれては、お喋りをし上手く切り抜けるのは大変だった。  職員室について一息つく、優の淹れてくれたコーヒーを飲みながら、携帯を見てみるとメール受信の文字。  メールを開くと、亜紀からじゃない事がわかり、少しがっかりした。 「ぷっ……」  そんな姿を見ていたのか、優がふきだして笑っている。 「なんだよ」 「くくっだって、今とてもガッカリした顔してたし。思ってた人からのメールじゃなかったんでしょ?」  と言い終えるとケラケラ笑い出した。 「うっさいなぁ」 「シンって分かりやすすぎ」 「笑うな」 『先生、昼休みちょっと時間をくれないですか? 体育館裏で待ってます。絶対にきてください、来てくれるまで待ってます』  メールを返そうとしたが、優に怒られ携帯を没収されてしまった。 「メール、電話禁止」 「お前な、子供じゃあるまいし返せよ」 「俺はシンのためにしてるんだよ。これぞ兄弟愛? 嬉しいでしょ?」  思わず顔がひきつる。 「お前……相沢に似てきたな……」 「仕方ないでしょ、相沢いっつもナメクジみたいにはりついてくんだもん。どんどん自分がおかされていってる気がする」 「ははっ……」  二人苦笑いになる。すると、 「細川ぁ~優ぅ~」  授業から相沢が戻ってきた。 「ほらね」
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