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『今から保健室いくから』
そう亜紀にメールを送り、優に一声かけてから保健室へと向かった。
早足になる、授業が始まるまでほんの数分だ、早く会って出来るだけ、1秒でも長く一緒にいたい。
保健室の扉を開くと、
「あら、細川先生」
と白衣をきたあやこ先生が、シンに気づいてやってきた。
「木下亜紀さんいますか? 次の授業が英語なので少し様子を見にきたんですけど」
そう聞くと、シンの前で腕を組み、
「大丈夫ですよ。というか、男の先生はおことわり、相手は女の子なんですから」
と睨むように見て。
「さぁ帰って」
と、シッシッと手を払われた。そんなあやこ先生の命令に逆らえる訳もなく、結局保健室から追い出された。
あと僅かな距離に亜紀がいたのに、カーテンの向こうにいたはずなのに、何もできず。
そのまま授業へと向かったが、気になって仕方ながない。間抜けだなんて落ち込み、ため息が出た。
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