*…寒い冬…* #2

2/11
前へ
/32ページ
次へ
――校長室に着き、いつもの様にソファでコーヒーを飲みながら寛いでいた。  桜井も作業の手をとめてコーヒータイムだ。 「細川さぁ、今日飲みに行かない?」 「お前はほんとにお酒が好きだな」 「うまいからね、でどう?」  シンは別に予定もなかったため、桜井の誘いに乗った。 「よしっ! これで仕事も頑張れる」  という桜井を見て、思わず笑みがこぼれた。  それから二人は公務をまじめにこなし、夜は真奈美の家の居酒屋で飲むことにした。  最近真奈美は、あまり居酒屋の方には降りてこない。シンたちが来ても、前は顔を見せにきたり一緒にジュースを飲んだりしていたが、なんでか最近さっぱりだ。  桜井と話しをしている姿も最近見ないし、二人はケンカでもしているのか話しをふってみるが、二人はいつも話しをそらす。  あまり干渉しないようにしようと思うが、気になってしまう。 「あぁ~うまい」  ビールをゴクゴク飲み、カウンターにゴトっとグラスを置いた桜井は、大将と野球の話しをして盛り上がっている。  シンも話しを聞きながら、ビールを喉へと流し込んでいた。  いつもと何か違うと桜井を観察していると、やはりビールを飲むピッチが早い。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加