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オレンジジュースを飲みながら、カウンター越しに桜井を見ている真奈美にシンは、
「あのさ、喧嘩でもしてるわけ? 原因はなに? きになって仕方ないから」
真奈美は眉間に皺を寄せると、
「喧嘩はしてないよ。多分……でも最近サクは怒ってる。私の態度が気に入らないとかなんとか言って。
私も良く原因が分からないから、サクに腹が立つ部分はあるけど」
「ふ~ん」
「だって、意味不明に機嫌悪くて私に当たるなんて最低でしょ」
と口を尖らせる。
「意味不明かぁ、とかいいがち、本当は気づいてるんだろ? 何が原因か、さっきのヤツは自分が原因だって気付いてるみたいだったけど……」
そういうと真奈美は、シンをちょっと睨んだ。さっきのヤツというのは和樹の事だ。
「ほらなっ、何も言い返してこないって事は、やっぱりそれが関わってる」
というと、
「分かんないもん……確かに、サクは……」
真奈美は小さな声で呟いた。周りの賑やかな声に負けている。
するといきなり、シンは手首をガシッと掴まれた。
「はい終了、細川あんまり真奈美苛めなぁい」
といきなりムクッと起き出した。
「起きてたのかよ……」
「起きてました」
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