*…寒い冬…* #2

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 真奈美はこの場に居づらそうに唇を噛み締めている。 「真奈美は悪くないよ。悪いのは全部俺だし」  そういうと、一度背伸びをしてから、 「なんでなのか細川は気付いてるじゃん」  とニコッと笑っている。 「いやっ気付いてるっていうか、和輝があんなに桜井の事を避けてる意味がわからないし、あと真奈美がオレンジジュースを二本もってくの見て、お前超睨んでたし」  すると桜井は、 「ただ単に、真奈美があの男と仲が良いのがムカつくだけ。  昔はサク、サクって俺にべったりだったのに、大きくなったらこれだもんなぁ」 「あったり前でしょ、私ももう大人なんだから、ずっとベタベタ引っ付いてまわるわけないじゃん」  そう真奈美が反論する。そんな二人の間でシンは、 「結局桜井の焼きもちか」  とコップのビールを飲み干した。
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