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驚く彼女を無理に引っ張り、駅前の居酒屋に入った。 毎朝、顔を合わせているオレに警戒心を解いた彼女はビールを頼みオレは烏龍茶。 他愛もない話をして、彼女の警戒を更に解く。 彼女は『蘭』さんだと分かった。 1時間も経てば、蘭さんはオレを『知優』と呼び付けにし、会社での愚痴や同僚の話、育てていたサボテンの話までにし始めた。 蘭さんは既に、ビールばかり4杯を飲み干し、5杯目のサワーに手を付けていた。 「蘭さんはどこに住んでるの」 警戒心を解いた蘭さんはスラスラとオレの問いに答える。 会社から4駅の場所に住んでいて、一人暮らしをしている事。 猫を飼いたいけど、世話が出来ないから諦めた事。 社会人9年目で商品を買い付ける部署にいる事。 そして今は27歳で彼氏はずいぶんいない事。 オレが知りたかった情報が一気に手に入った。 ・
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