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店に入り3時間が経過し、電車など既に無く、蘭さんは気持ちいいぐらい酔っぱらっていた。
「知優、飲み過ぎた。家帰ろう・・・・」
目が座った状態の蘭さん。
「でも、もう電車ないですよ?」
蘭さんは『だから?』と言わんばかりに、「タクシーってもんがあんでしょ!」と舌を巻きながらテーブルに置いてあったオレの手を叩いた。
「はい!とりあえずお会計!!」
蘭さんは元気な声で店員を呼び、自分の財布から1万円札をだし店員に渡した。
「蘭さんオレ払うよ」
そんな声に耳を貸さず、蘭さんは店員からお釣りを受け取り席を立った。
ちょっとふらついている蘭さんの体を後ろから支える様に店を出た。
オレの声など聞こえないのか?蘭さんは店をでてすぐタクシーを止め、乗り込んだ。
唖然とするオレに運転手さんは『またか』と言った具合に、
「お客さん、乗るの?どーすんの」
蘭さんからは何も言われない。
「はい、乗ります」
オレは蘭さんの隣に座った。
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