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知優と蘭を乗せた車が塔上家に到着した。
いつもの塔上家ならば、祖父母が庭に出て、作物も世話をしている。
しかし、今日は誰もいない様な静けさがココにあった。
「あれ?だれもいないのかなぁ」
蘭は車から降り、自宅へと足を向ける。
知優は庭先に車を止め、後部座席から紙袋を持って出てきた。
「ただいま~」
蘭は玄関を開け、大きな声で呼びかけた。
「はいはい」
玄関の先にある部屋から母親が出迎える。
母親の顔に安心をした蘭は、忘れていたものを思い出したかのように後ろを振り向き知優を探した。
その知優は蘭の後ろではなく、横にいて蘭の母親に挨拶をしていた。
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