身支度  ~美有~

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何も思いだせない自分に腹がたったけど、不思議とYOUさんを責める気にはならなかった。  彼の傍にいれば、遅かれ早かれヤラれちゃってただろうし。  なんか気分は思いの他、良かった。  普通だったら記憶なく、好きでもない人とのセックスだったら凹むんだろうけど、私はなんかスッキリした。  だってもう高2。 彼も居たことなかったし、ましてキスやセックスなんて無縁のモノだと思ってたから。  私は誰かと深く繋がってはいけない。繋がれないと思ってたから。  簡単にファーストキスと処女に別れを告げられて良かった。  私の思考は一般女子とはかなり違うと思う。  そうしてきたのは自分を守る為だから。  サッパリした気分でYOUさんの元に戻った。  コーヒーの良い香りに刺激され、お腹が鳴った。  「美有の腹の音。二回目だなぁ」 クスっと笑ったYOUさんの顔をみて私も笑顔になった。  そんな私をみて。  「どーした?なんか違うけど」 YOUさんは気まずそうな顔をしている。  「別に。ただ気分が良いだけです」 コーヒーをのみながら答えた。
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