過去  ~YOU~ #2

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見慣れない箱がテーブルに置いてあった。  水を飲みながら、ソファーに座り箱を手に取った。  メモが挟んであった。  『YOUさんへ  いつもありがとう。  おれいだよ。         美有』 慌てて箱をあける。  オレが気に入って良くつけているブランドのブレスレットだった。  この前、雑誌でみかけて今度買いに行こうと思ってたモノだった。  めちゃくちゃ後悔した。  たかが友達と遊んだぐらいで。  美有の涙。 愛情なんて感じさせないくらい、ただ嫉妬心だけでムリやり強く抱きしめた。 オレがこんなに独占欲が強い男だと知らなかった。  しばらくブレスレットを眺めていたら、美有がリビングに入ってきた。  控えめにした化粧。  ホルダーネックのワンピース。  オレの顔をチラッとみてキッチンに入って行った。  もどかしい空気に後押しされ、美有を追いかけキッチンに入る。  美有の顔に緊張が走った。  オレが持っているブレスレットに表情が緩んだのをみた。  「コレ、ありがとう」 それしか言えなかった。
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