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困ったように、でも嬉しそうに美有が頷いた。
元々、口数が少ない美有。
オレが切り出すしかない。
「さっきは悪かった。もうしないから。美有がイヤな事は絶対しないから」
美有の顔を恐る恐るみる。
少し驚いたように、でも頷いてくれた。
「YOUさんにとって私ってなんですか?」
思いもよらない質問がかえってきた。
その目には涙が浮かんでいるようにみえる。
「美有は……………」
何て答えたら良いんだろう。
言葉につまる。
すると美有は慌てたように、「やっぱ何でもないです」やっと聞き取れるくらいのか細い声。
そして、オレからの視線を避けるようにの横を通り過ぎようとした。
オレは慌てて美有の腕を掴んだ。
そして引き寄せる。
微かに震えている美有の肩。
抱きしめたまま、今の気持ちを言葉に出した。
「美有はオレの大事な人。誰にも渡したくないし、触らせたくもない。」
素直な気持ちが口から出てきた。
美有はゆっくりオレを見上げる。
美有の目から涙がこぼれ落ちていた。
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