バカンス  ~美有~

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少し考えた泉さんは、携帯を取出し何か話だした。  エレベーターが開いた。  泉さんは私の手をひき、エレベーターには乗らずに電話をしていた。  3人の中のひとりが私達に気づいてしまった。  でも、エレベーターは閉まり上へとあがっていった。 泉さんは反対のエレベーターを呼び、部屋のあるフロアのボタンを押した。  エレベーターを降りると階専用のフロントがあった。  ガードマンが立っていた。 さすが、『でぃーえむ』ワンフロアを貸し切っていた。  ガードマンに泉さんがカードキーを見せたらすんなり通してくれた。  一番広い部屋は開け放たれていた。  部屋に入り目を奪われる。  オーシャンビュー!!  『きゃ~!!!』 窓に駆け寄り、テンションがあがる。 「美有ちゃんも普通の女の子だったんだな」  アラタさんの声に驚き振り向くとメンバーがズラリとソファーに座っていた。  私はわざと、  『きゃー!!でぃーえむだぁ』 はしゃいでみた。  空気が凍った。  痛い沈黙が私の身を刻む。  YOUが、  『美有にそれは似合わない』 真剣な顔だったから、みんなが笑った。  そして私も笑った。
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