バカンス5  ~美有~

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「いてててっ」 私はYOUに思いっきり抱きついた。 YOUは私の下敷きになり笑った。  私は体を持ち上げ、YOUにキスをした。  YOUは満足そうに私を見返した。  床から起き上がり、私の目をみて、  「美有はオレの…………………………」 YOUの目を見返す。  YOUは『ふっ』と笑い、『さぁ、飯食いに行くぞ』と私を立ち上がらせた。  先が聞きたい。  贅沢になっている自分に気づいた。  これ以上ないくらい、ステキな想いなのに、私は『言葉』が欲しくなっていた。  態度やモノじゃなく、YOUの『言葉』が欲しい。  YOUはタバコ片手にドアをあけ、  「先行くぞ。」 赤くなった顔をサングラスで隠し出ていった。 私は充電キレのヤツを恨めしく思った。  だってソコにはYOUの言葉が入っていたから。
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