1年 ~美有~

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アラタさんが口を開く、  「美有ちゃん、卒業したらどーするの?」 名前を呼ばれ緊張する。 何かあった時は『みー』から『美有ちゃん』になるから。  「特に今は考えてません」 恥ずかしい。  何も考えていない自分が。 「じゃ、進学とか就職とか?」 アラタさんが話を続ける。  「進学はまったく考えてないです。就職…………夏が終わったら考えようとは思ってました」 ホントは何にも考えてない。  YOUが口を開く。 しかもニヤニヤ顔で、  「美有は永久就職決まってるもんな」 「どこに?」 真顔でYOUに聞いた。  みんなに笑われ、YOUは苦笑いしていた。  アラタさんがさらに、  「美有ちゃんさえ良ければウチでこのまま働かない?ま、泉はそのつもりで美有ちゃんに断りなく、勝手に名刺作ったみたいだけど。」 泉さんがアラタさんに『裏切りもの』と言っていた。  私はYOUをみる。  YOUは頷く。  「すぐに決めなくっていいから、決まったら教えてくれればいいから。」 何も出来ない私を雇ってくれて、社員へと考えてくれていたなんて。  私の事だけど、メンバーの方が私を心配してくれているのをスゴく有難いと思った。
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