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私の手の中にあったデジカメで安芸が写真を撮ってくれた。
『楠木くん』とは、これが最初で最後の写真になった。
卒パーまでまだ時間がある。
YOUは私に、『後で。』と言って教室を出た。
私は安芸と一緒に卒パーの会場、体育館へ向かった。
会場の飾りつけは在校生がしてくれていた。
実行委員が機材のセッティングをするなか、謝恩係の私達はテーブルに飲み物や食べ物を並べる。
暗幕が窓をふさぎ、電気が消さた。
ライトが間接照明の役割をし、ミラーボールが回る。
食べ物や飲み物のトコにはブラックライトがおかれ、不気味にてらす。
時間になり、卒業生が体育館に集まってきた。
回るライト。
爆音の音楽。
安芸は私をみるなり、
「YOUはどこ?!」
音響に負けないくらいの声で私に聞いた。
その声に驚きき、聞かれていないか周りをみた。
誰も気にしていなかった。
みんなが踊ったり話したり楽しむ中、私はYOUを探していた。
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