Santa Claus is coming …

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★ 「どこで見つけたの?これ…」 彼女が涙で顔をくしゃくしゃにして尋ねる。 「あそこだよ、上通りのウッドペッカー。たまたま健太のトイレを借りに入ってさ…」 「あのお店、二人でよく通ったね。」 やっと彼女の顔に笑顔が浮かぶ。 ああ、やっぱり…いいな。 僕はその顔が見たかったんだ。 「でも、どうして?クリスマスプレゼントなんて久しぶり。」 「あー…」 彼女が責めている訳じゃないのはわかってたけど、気まずい僕は頭を掻いた。 「このレコードを眺めてる時に健太に言われたんだ。どうしていつもママにだけサンタさんが来ないの?って。」 そう、彼女が用意するプレゼントはいつも二つ。健太の分と僕の分、毎年枕元に置いてくれている。 「僕は君の優しさに慣れすぎて、甘えていたよ。本当にごめん。」 ふるふると首を振る彼女を僕はそっと包み込む。忘れていた彼女の匂い、そして体温。 毛羽立った心が、ゆっくりと凪いでゆく気がした。 「折角のクリスマスなんだから、たまには二人でゆっくり飲もう。」 僕は君と話がしたい。 そして、君の笑顔が見たいんだ。 本の少し間を空けて、君は僕の胸の中で俯いたまま、遠慮がちに尋ねてきた。 「じゃあ、テレビを…消してくれる?」
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