103人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
★
「パパ!起きてよ、ねえ!!」
「んん?おはよ…、健太。パパまだ眠いよ…。」
今日は格別寒い朝だ。
寝室の空気もキンと冷えて、布団からはみ出た耳が冷たい。
夕べは久しぶりに、彼女を抱きしめて眠った。
柔らかな髪が頬に触れて少しこそばゆかったけど、彼女の体温が心地よくて、夢も見ないほどよく眠れたんだ。
朝の微睡みの中で、昨夜の幸せなシーンに思いを馳せる。
「もう…、起きてよ、パパ!大変なんだよ!!」
おいおい、どうか邪魔しないでくれよ。僕はまだこの余韻を味わっていたいんだ。
「何だよ、健太。まだ起きるには早い時間だろう?」
「だって大変だよ!サンタさんが来てないんだ!!」
「あっ!?」
しまった!
そうだ。昨日は僕ら二人ともお喋りに夢中になって、プレゼントのことをすっかり忘れていた!
「ほら見てよ、パパにもプレゼント来てないよ!
何で?僕何か悪いことしたのかなあ?
だから、プレゼントもらえなかったのかなあ?」
ベッドの上で健太がぐずり出した。
参ったなぁー。どうしよう。
そういえば、彼女の姿が見えない。まだシーツはほのかに暖かいのに。
「健太、ママは?」
最初のコメントを投稿しよう!