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「うわあ!本当だ!!
サンタさん、ちゃんと来てた!」
リビングに置いてある、僕と変わらない高さのクリスマスツリー。
そのツリーの下に、綺麗にラッピングされたプレゼントが三つ置いてある。
…ん、三つ?
「健太がお願いしてくれたんでしょう?サンタさん、ママにもプレゼントをくれたの。
きっと三つもベッドに置けなかったのね。
朝起きたら、ここにこうして置いてあったのよ。」
彼女はコッソリ僕に向けてウインクをする。
「ねえねえ、プレゼント開けてもいい?」
「もちろん!」
健太がビリビリと包装紙を破っていく。
あーあ、そんなにしちゃって。
折角ママが綺麗に包んでくれたのに。
うん、でも悪くないよ。
こうして家族皆でクリスマスの朝を迎えたこと、よくよく考えたら初めてだ。
夜更かしな僕はいつだって、一人だけ遅く起きてきて、プレゼントを開ける瞬間を目にしたことなんてなかった。
今まで何てもったいないことをしてたんだろう。こんなにワクワクする瞬間を見逃していたなんて。
ああ、キラキラと目を輝かせてプレゼントを開ける健太が何だがとっても可愛くて仕方がない。
「パパ!パパもプレゼント開けてみたら?」
「そうだね。」
今年は一体何が入っているんだろう?
彼女からのプレゼントは、いつだってハズレがないんだ。
子どもの頃に戻ったみたいに、ドキドキしながら包みを開ける。
「これ…」
同んなじだ。
僕が彼女にあげたレコードと同じもののCD…
彼女は、忘れていなかったんだ。
あの頃の、誰かを思う優しい気持ちを。
「ねえねえ、パパは何をもらったの?」
ぼく宛てのプレゼントを覗こうと、健太は精一杯背伸びをする。
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