103人が本棚に入れています
本棚に追加
「サンタさんは、パパが失くしてずっと忘れていたものを探し出して来てくれたよ。」
「そのCDがそうなの?」
「そうだよ。でも、それだけじゃない。」
毎日をやり過ごすのに精一杯で、僕たちは色々なものを見失っていた。
でも、今日からやり直そう。
今からだって遅くはない筈。
そうだ。
とりあえず三人で一緒に朝食を食べよう。
まだまだ長い道のりだ。
先ずは腹拵えしなくちゃ。
「さあ、無事プレゼントも受け取ったことだし、皆で朝ごはんを食べようか。」
漸く噛み合った僕らの歯車が、クリスマスの朝から回り出す。
『素敵なプレゼントをありがとう』
プレゼントに夢中な健太に気づかれないように、僕は彼女に囁いた。
fin
最初のコメントを投稿しよう!